歯根嚢胞とはどのような病気か
歯根嚢胞とは歯茎に膿が溜まっていたり、噛む時に歯が痛いという症状が出る病気です。特に治療が終わっている歯や虫歯が悪化している場合に発生しやすい病気で、再発率が高いとされています。なぜ歯根嚢胞が起こるかというと、虫歯菌が歯根に感染したことにより発生します。歯の神経が生きていれば細菌と戦い、病気を防いでくれています。しかし、神経が治療や虫歯により死んでいた場合、細菌と戦えないので歯根嚢胞になりやすくなってしまうのです。
虫歯を治療では被せ物で患部を補修しますが、その奥で虫歯が再発することがあり、知らずのうちに歯根嚢胞になりやすい状態を作っている可能性があります。
歯根嚢胞が引き起こす悪影響
歯根嚢胞は虫歯菌が原因となり歯根に膿が溜まってしまう病気だと前述しました。歯根嚢胞は上顎と下顎の両方にできる可能性がありますが、6:4の確率で上顎の方に発生するとされています。上顎に歯根嚢胞ができると、様々な弊害を引き起こすことになるでしょう。上顎の近くには上顎洞という空洞があり、炎症が広がると副鼻腔にまで達し、急性副鼻腔炎にかかる可能性があります。また慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症になることも考えられます。
歯根嚢胞が上顎にできたら歯科医院で治療することが大切です。歯の神経が死んでいると早期発見が難しいので、定期的な通院を心掛けると歯の健康を維持につながります。虫歯の治療をしたことがある人や神経を抜いた人は特に注意が必要です。気付かないまま放置してしまうと最悪の場合、抜歯をしなければなりません。
歯根嚢胞の治療方法
歯根嚢胞は自然治癒できない病気なので、放置していると骨を溶かしてしまう危険があります。自覚症状が出ないことが多い病気であるため、気が付いた時には歯がグラついてしまい抜歯が必要になってしまいます。
歯根嚢胞があまり大きくない場合には根幹治療を行います。根幹治療は歯の神経を取り内部を洗浄し薬を詰めて、再感染を防ぐ治療方法です。しかし、歯の内部で虫歯が再発してしまうと歯根嚢胞までも再発してしまうリスクがあります。根幹治療で治らない場合には、切開して歯根嚢胞を摘出する嚢胞摘出手術が必要です。
歯根嚢胞は自然に治らない病気であるため、歯医者でしっかり治療を受けることが大事です。発症を防ぐためにも虫歯などの口内トラブルは早めに解決し、定期健診などで長期的にケアしていきましょう。