口内炎の種類
舌のできものができた時、歯医者を受診すべきか迷う人もいるでしょう。舌のできものは、深刻な病気の可能性も否定できない以上、放置しない方が良いです。できものができる原因は色々ありますが、まずは口内炎について説明しましょう。
口内炎にも様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。まず、アフタ性口内炎の場合、強い痛みがあり白っぽく窪んだできものができます。主な原因は睡眠不足やストレス、鉄不足の他、入れ歯の金具などが舌に当たることです。基本的に1~2週間で治り、歯医者では抗炎症剤を処方します。
次に、赤い斑点ができ腫れるならカタル性口内炎の可能性が高いです。熱っぽく腫れ、刺激の強いものを食べると痛みを感じます。約10日程度で自然治癒することが多く、歯医者ではステロイド系抗炎症薬を処方します。
水膨れができて強い痛みを感じるヘルペス性の口内炎では、治療に抗ウイルス薬の使用が一般的です。もやもやの白い苔状のできものを生じるカンジダ性口内炎では、苔のようなものを無理に削ると出血する可能性があります。真菌感染症なので、治療には抗真菌薬を使います。
口内炎以外のできもの
口内炎以外で舌にできものができる原因には、白い縁取りのある模様が生じる地図状舌や、網のような模様が出て痛みのある口腔扁平苔癬、舌の側面が白く盛り上がる口腔白板症、舌が赤く盛り上がる紅板症などがあります。放置するとガン化するできものもあるため注意が必要です。
特に、紅板症は全体の50%前後がガン化すると言われ、前がん病変で高リスクと言われている他、口腔白板症は全体の4.4~17.5%がガン化、口腔扁平苔癬も放置すれば稀にガン化する恐れがあります。早めに歯医者を受診するようにしてください。
舌がんの特徴と対処法
口の中にできるガンの50~60%は舌にでき、口内炎と間違いやすいため注意が必要です。舌の両側の縁のあたりに発生しやすく、硬いしこりが歯に当たったり、痛みがあったり、場合によっては舌先に発生することもあります。口内炎がなかなか治らない場合、2週間以上症状が続くなら舌がんを疑いましょう。
対処方法はガンのサイズ、深さによって異なります。舌がんの「小線源治療」は病変が浅い場合に行う治療で、メスを入れずに放射線と化学療法で行う治療です。他に、舌部分切除や舌可動域半側切除が初期のガンで行われ、進行したガンに対しては舌可動部全摘出、舌全摘出などの外科手術が行われます。舌に気になるできものを発見したら、放置せずに歯医者の診断を受けましょう。