舌苔はなぜ発生する?
誰にでも舌苔はあり、多少の舌苔なら特に問題はありません。口の中の粘膜も皮膚と同様に新陳代謝を繰り返しており、古い細胞は剥がれ落ちます。剥がれ落ちた細胞、つまり垢のようなものが舌に溜まったものが舌苔です。
舌苔は口の中の粘膜細胞だけでなく、食べ物のカスなども構成要素となります。口の中に潜んでいる数多くの細菌も舌苔の構成要素で、白血球や脂肪球なども含め様々なものから舌苔が構成され、舌に粘着していきます。
舌苔が招く口腔トラブル
舌が汚れて白くなる舌苔は見た目が悪いだけでなく、放置すれば様々な口腔トラブルの原因となります。まず、舌苔が招く口腔トラブルとして代表的なものが口臭です。舌苔には様々な微生物が潜んでいて、微生物の中でもバクテロイデスとフゾクバクテリウムは嫌な臭いを発生させる原因として知られています。これらの細菌は口の中で粘膜細胞や唾液ムチンなどのタンパク質を分解し、強い臭気を放つ揮発性硫黄化合物を生み出すため、口から臭いが発生してしまうのです。舌苔が招く口腔トラブルは他にもあり、特に誤嚥性肺炎のリスクが上がってしまいます。誤嚥とは唾液などが気管に入り込むことを指し、誤嚥により唾液と一緒に口の中の雑菌が気管に入りこむことで肺炎に感染するリスクが高まるのです。たくさんの細菌を含む舌苔を放置すれば、誤嚥性肺炎のリスクが上昇してしまうでしょう。
除去ケアより付着防止を目指すべき
舌苔が気になって自己流のケアをする人の中には、歯ブラシなどでこすって舌磨きを行い、舌苔を除去しようとする人もいます。しかし、舌を歯ブラシで強くこすると舌の表面を傷付けてしまい、炎症を起こしたり味覚障害を起こしたりする危険性があるのでおすすめできません。最近は舌ブラシなど、優しく舌苔ケアができるグッズも登場してはいるものの、根本的な舌苔の対策は除去ケアよりも付着防止を目指すべきです。付着してしまった舌苔を除去することも大切ですが、まずは舌苔が付着しないようにするケアに取り組んでみてください。付着防止ケアとしては、ドライマウスの予防と噛む力の向上により、口の中の環境を良くする習慣を身に付けることが大切です。ドライマウスはストレスや口呼吸、飲酒や喫煙などの生活習慣により唾液の分泌量が減って発症します。よく噛んで食べ、飲酒や喫煙は控えるようにしてドライマウスを防ぎましょう。さらに、噛む力を向上させ舌の筋肉を鍛えると舌苔の予防ができます。噛む回数を増やし、噛み応えのある食品を食べ、人とも積極的に話すようにすると舌の筋肉を鍛えることが可能です。日常生活でのちょっとした心掛け次第で舌苔を予防できるので、毎日の生活を見直してみてください。
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